令和5年度 群馬県立点字図書館利用者満足度調査集計結果の分析   1.調査対象者及び回答者について (1) 調査対象者と回答媒体の分析と対応  調査対象は、利用登録者のうちメール送信可能者、1年以内に当館を利用した利用者から無作為抽出した283人であり、うち123人から回答を得た(回答率43.5%)。  メール送信による回答率は例年低くなるため、Googleフォームを活用した。さらに回答数確保のために、電話による聞き取りを併用した。  聞き取り調査には、職員とのやり取りから、当館のサービス内容を再認識できる効用がある。今回も調査を通じて、利用経験がなかった資料やサービスの紹介をすることができた。調査回答事項については真摯に受け止め、今後の当館運営に反映させていけるよう努力したい。 (2) 年齢区分及び視覚障害等級 70歳以上が約半数、60歳代を加えると71%で高年齢化が顕著であり、幅広い年齢層の新規利用登録者獲得のために館周知活動を継続して行っている。 登録者の視覚障害等級は、1級が75%、2級と合わせると90%を占め、重度障害の割合が多い傾向である。 (3) サピエ図書館ID所持状況と対応  当館利用登録者も「サピエ図書館」に直接アクセスして、図書を利用することが可能なことから、サピエ図書館ユーザーIDの所持状況を調査した。今年度の回答者の所持率は約55.5%であった。引き続きサピエ図書館の利用推進を図ると同時に、インターネット情報の利用が困難な利用者には、情報格差を是正するサービスを提供していきたい。 2.調査項目の分析と対応  【質問1】本・資料の貸出について  (1) 点字図書館から本・資料を借りたことがあるか  借りたことのある方が99人(80%)、借りたことがない方が24人(20%)であった。 (2) 利用した資料媒体(複数回答 n=99)  最も多く利用された媒体は、デイジー図書74%であった。続く媒体はデイジー雑誌の32%、点字図書30%となっている。音訳資料の利用は他に、テープ図書7%、テープ雑誌5%となっているが、テープだけの利用者は少なく、デイジーへの移行は順調に進んでいる。また、複数タイトルの利用が可能なSDカード(デイジー図書)は23%の利用であった。デイジー資料の充実はもちろん、点字資料も視覚障害者の文字である点字の意義を考慮して、引き続き充実を心がけたい。    (3) 資料はどのように選んだか(複数回答 n=99)   資料を選ぶ手段は、当館図書館だよりからが59%、図書館職員に探してもらうが49%であった。        (4)貸出期間(2週間)について  今回、貸出期間について伺った。ちょうどいいが68%であった。    (5)図書・資料を借りたことのない理由について(n=24)  サピエ図書館を利用しているが50%であった。    【質問2】「本・資料の貸出」以外の図書館サービスの利用について           (複数回答 n=123)  最も多く利用されたサービスは、点字図書館主催の催しで30%であった。次にプライベート・リクエストサービス、コピーサービスが24%であった。相談やホームページ閲覧もそれぞれ約20%利用されていた。利用したいものがないという回答が27%あったので、利用につなげられる方策を考えたい。  【質問3】群馬点字図書館だよりの活用について(複数回答 n=123)  当館図書館だよりの活用状況は、新着図書の情報63%だけでなく、お知らせ62%、特集46%、着手情報37%など様々に利用されていることが確認できた。また視覚に障害のある方が便利に使える機器などを紹介するコーナーの利用は40%であり、利用者が情報収集の一助として図書館だよりを活用していることがわかった。    【質問4】点字図書館サービスの全体の満足度について  サービスの満足度は、93%が「満足」「ほぼ満足」の回答であった。今後も利用者ニーズに沿ったサービスの提供に努めたい。    【質問5】職員の対応について   職員の対応については、98%が「良い」「ほぼ良い」であった。    【質問6】今後実施してほしい事業、要望  製作図書のジャンル、情報機器の紹介・操作研修会・各種事業の開催について要望があった。今後も利用者からの情報収集に努め、反映するよう努力したい。